パニック症は以前、「パニック障害」「恐慌性不安神経症」等と呼ばれました。 パニック発作と呼ばれる急性の症状や、非発作性の不定愁訴の繰り返しによって 予期不安や広場恐怖を起こし、日常生活に支障が出る病気です。
原因としては脳内化学物質のアンバランスや、不安に敏感な遺伝子を持った人が なりやすいということがわかってきました。 電車に乗れないという症状がマスコミに大きく取り上げられ、タレントさんが カミングアウトしたことなどで、病名が広く知られるようになりました。
① パニック発作
② パニック症の基準
③ 予期不安・広場恐怖について
特別な原因や病気がないのに急に心臓がドキドキしたり、過呼吸になったり汗が 大量にでたり、言いようの無い不安感がわいてくるなどの症状をパニック発作と 言います。そしてこういった 発作が頻繁に現れ生活に問題が出るようになると、 パニック症とよばれます。
パニック症で使われる「パニック」は、一般的に使われる「パニックになる」という言葉とは 違うものです。パニック発作を起こしてパニックになることはあるかも しれませんが、治療を 受ける場合は言葉を区別する必要があります。
パニック発作やパニック障害の診断にはアメリカ精神医学会の決めた認定基準があります。
大まかに言うと、
・予期しないパニック発作が繰り返し起きたり、発作が一ヶ月以上も続く
・発作が起きるのではないか・発作のせいでどうにかなってしまうのではないかと 心配になる
・パニック発作のせいで生活に支障がでる
などの状態になった場合、パニック症と診断されます。
パニック発作を繰り返し経験すると、また発作が起きるのではないかと不安に なりますが、この気持ちを「予期不安」と言います。
また、発作が起きてもその場所から動けない・発作を見られたら恥ずかしい・ 発作が起きても 助けてもらえないなどという気持ちから、一人で居られない・ 乗り物に乗れない・外出できないなどの状態になることは「広場恐怖・空間恐怖」と言われます。